JIS H 8643
溶融亜鉛アルミニウム
合金めっき
TOKAI-AZ
溶融亜鉛アルミニウム合金めっきの概要
溶融亜鉛アルミニウム合金めっきとは、亜鉛に約5%のアルミニウム、約1%のマグネシウムを添加し、溶融亜鉛めっきよりも高耐食のめっきです。海岸地域や、凍結防止剤等を使用する地域等、腐食性の強い環境では、溶融亜鉛めっきでの防食は不十分であり、合金めっきが必要とされています。
当社の溶融亜鉛アルミニウム合金めっき(TOKAI-AZ)は、田中亜鉛鍍金株式会社の加工技術である高耐食めっき(タナカ-AZ)の技術供与をベースに独自開発しました。
皮膜構造
溶融亜鉛めっきの合金層は鉄-亜鉛の合金ですが、タナカ-AZのめっき皮膜は表層と合金層に大別され、合金層は鉄-アルミニウムの合金組成となります。
※当サイトの技術データは、タナカ-AZ技術資料より抜粋しております。
密着性試験・耐摩耗試験
タナカーAZ(80μm)の密着性試験はJIS H 0401(ハンマ試験)に準拠して行い、めっき皮膜の剥離はなく良好な結果を得ています。
また、耐摩耗試験についてもJIS H 8503(テーバ式摩耗試験)に準拠して行った結果溶融亜鉛めっき以上の耐摩耗性が確認されています。
大気暴露における耐食性
各環境でタナカ-AZの耐食性が高いことが確認されます。海岸地域の腐食環境の激しい地域で、タナカ-AZの腐食減量(33g/m2)は溶融亜鉛めっき(214g/m2)の1/6以下に抑えられ、耐食性の差が顕著に現れています。
塩水噴霧試験における耐食性
タナカAZの塩水噴霧試験における腐食減量は、表のように溶融亜鉛めっきの約1/4にすぎません。
塩水噴霧後の外観変化
溶融亜鉛めっきでは約500時間で赤錆が発生しましたが、タナカAZは約3,000時間経過でも赤錆の発生はなく、優れた耐食性を有しています。
日本産業規格
溶融亜鉛アルミニウム合金めっきは、2019年にJIS H 8643として制定されました。 当社のTOKAI-AZは、 当該規格のJIS表示認証取得済みです。
規格の種類と膜厚および付着量
(JIS H 8643 抜粋)
種 類 | 種類の記号 | 規格値 | 適用例(参考) | ||
---|---|---|---|---|---|
1種 | 25A | HZA 25 A | 平均膜厚 25μm以上 |
最小膜厚 18μm以上 |
直径12mm以上のボルト、ナット、 厚さ2.3mmを超える座金など |
36A | HZA 36 A | 平均膜厚 36μm以上 |
最小膜厚 25μm以上 |
厚さ1.6mm以上の鋼材 鋼製品など | |
50A | HZA 50 A | 平均膜厚 50μm以上 |
最小膜厚 36μm以上 |
厚さ6.0mm以上の鋼材、 鋼製品、 鋳鍛造品など |
|
2種 | 18B | HZA 18 B | 180g/m2以上 | 直径12mm以上のボルト、ナット、 厚さ2.3mmを超える座金など |
|
25B | HZA 25B | 250g/m2以上 | 厚さ1.6mm以上の鋼材 鋼製品など | ||
35B | HZA 35B | 350g/m2以上 | 厚さ6.0mm以上の鋼材、 鋼製品、 鋳鍛造品など |
※2種は膜厚試験(電磁膜厚計での膜厚測定)ができない場合に適用する
当社はJIS H 8643 に係るJISマーク認定取得済です。
めっき槽サイズ
- 純亜鉛めっき槽 (1浴)
1500(L)x620(W)×800(D)mm - 亜鉛-アルミニウムマグネシウム 合金めっき槽 (2浴)
1,500(L)×620 (W) × 600 (D)mm
用 途
TOKAI-AZは海塩粒子が飛来する地域や路面などの凍結防止対策で塩化カルシウムなどの薬剤を散布する地域などの塩害環境下で高い耐食性を発揮します。
- 土木関係
- 橋梁検査路および配管
- 建築関係
- 港湾構造物、建屋材、階段、架台
- 電力・通信関係
- 鉄塔、ケーブルラック、発電所関連材、電柱および腕金などの配電部材
- 環境・衛星関係
- 太陽光発電部材、風力発電部材
- 鉄道関連
- 駅舎、架線柱および金物、標識・信号柱
※水中や干満地帯 (スプラッシュゾーンなど)へのTOKAI-AZの採用は、十分な耐食性が発揮できない場合がございますのでご注意ください。
加工実績
Copyright(C)TOKAI ALUMA INDUSTRIES CO.,LTD.all rights reserved.